国内初? 熱赤外線カメラ FLIR PTQ136 Breach レビュー!!【実写と機能解説編】その2
それではいよいよFLIR PTQ136 Breachの実写編です!
この記事ではどのように写るのか、実写画像を交えながら最も使用頻度の高い撮影機能とパレット表示などついて解説していきます。
PTQ136を起動する
電源をオンにします。「○」ボタンを5秒ほど長押しすると・・・FLIRのロゴが出てすぐにサーマルカメラの映像に移ります。
ボタンが硬い!!これはマジでストレス!!!
起動後すぐにサーマルカメラの映像が現れます。おお!!!サーマルカメラの映像だ!!!!かっこいい!!!
真ん中にあるのがドラム缶
見慣れたオフィスや外の景色が一気に熱赤外線の世界に変わります。あーここってこんな風に見えるんだぁとニヤニヤしながらマジマジと観察します。人生が薔薇色になりますね。サーマルカメラがあると。辛抱たまらん感じになってPTQ136 Breachを持って外に飛び出してきました。 ここからは少しサーマルカメラのギャラリーです。
交差点とコンビニ ホームセンターの天井。梁に隙間があります
扇風機のモーター部が熱くなっています 村上水軍祭りのときのボート
高知の廃校水族館 焼き肉の網
私だ
もともと解像度が312×250なので、パソコンなどの画面でみるとボケてしまいわかりにくいんですが本体のモニターを覗いている分にはかなりはっきり見えます。体感的にはこの1.5倍ぐらい綺麗に見えてる感じ。
サーマルカメラは性質上鏡やガラスなどの反射しやすいものは捉えにくいので、一昔前なら「鏡に写るものを映像として撮れたらそのサーマルカメラの性能はすごい」と言われてました。それが今やハンディサイズですからね。素晴らしいの一言です。
PTQ136を持ってしゃぶ葉へ
PTQ136の写真が撮りたくて1人でしゃぶ葉に行って鍋を撮影してきました。前後左右がファミリーで少ししんどかったです。はい。
鍋に投入したばかりの冷えたお肉だとか、煮えたぎるスープだとかがはっきりわかります。黒あんみつはなんかわかりませんね(笑)。
PTQ136はボタン構成こそシンプルなものの、それなれに多機能です。ただ、実際に運用するにあたり使う機能はそこまでないので最も使う機能をまずはピックアップして下記の3点を紹介します。
- パレット(種類と用途)
- 静止画・動画の撮影
- モニター輝度の変更
パレット(PALETTE)の種類と用途
パレットは7種類
サーマルカメラの大きな特徴として、パレットの変更があります。パレットというとピンときませんが疑似カラーと呼ばれる画面の表示方法のことで、状況に応じた最適なパレットパターンを選ぶことで必要な情報を取り出しやすくなるようになっています。
色のパターンは基本的に「暖色」「寒色」に準じていて直感的にどっちが暖かくてどっちが冷たいのかはわかるようになっています。PTQ136のパレットパターンは
- WHITE HOT
- BLACK HOT
- RAINBOW HC
- IRONBOW
- SEPIA
- ARCTIC
- OUTDOORALER
の7パターンです。字面だけおってもわからないと思うので、百聞は一見にしかず。私のMACBOOKを全てのパレットで撮影したので、まずは見てみてください。
ね?違いがわかると思います。
個人的には
- WHITE HOT
- IRONBOW
- SEPIA
- OUTDOOR ALERT
この4つをよく使います。 それではパレットパターンを紹介したので、各パターンの特徴を説明していきます。
パレットパターンの用途
WHITE HOT
白い部分ほど暖かく、黒い部分のほど冷たい
一番シンプルですね。直感的に暖かいところ(もしくは冷たいところ)が大雑把にわかります。ミリタリーなどはこれか、BLACK HOTを使います。暖かいところほど白いというのも直感的でいいと思います。
BLACK HOT
黒い部分ほど暖かく、白い部分のほど冷たい
WHITE HOTの真逆です。このあたりは好みですかね。
RAINBOW_HC
白ほど暖かく、青色ほど冷たい。温度分布の詳細を分析するのに最適
近距離での使用に適しています(ノイズが多いため屋外ではほとんど使えません)。
画面に表示されている中で高温になっている部分を細かく色分けすることで、温度分布の詳細を明らかにします。確かにWHITE HOTに比べるとどのあたりが最も高温でそれがどこまで伝わっているかがはっきりわかります。体の冷えや暖かくなっている部分などを映すのにも適していて、血管がどこをはしっているかまでわかります。
IRONBOW
白ほど暖かく、紫色ほど冷たい
溶けた鉄の様な表示になるので"IRONBOW"と呼ばれています。見ている物や人の温度がどのように分布しているかがひと目でわかります。画面上は紫までしか表示されていませんが、黒色まで表示可能。これも直感的でわかりやすい表示方式だと思います。
SEPIA
黄色ベースの表示方式。白ほど暖かく、黒色ほど冷たい
WHITE HOTの黄色バージョンです。個人的に気に入っている表示方式で、特に夜間は目に優しく使いやすいです。こちらの方がWHITE HOTやBLACK HOTに比べて屋外で使用すると「細かく」見える感じがします。
ARCTIC
白ほど暖かく、青色ほど冷たい
温度の差が大きい人や物をより鮮明に映し出す方式です。が、いまいちピンと来てません(笑)
OUTDOOR ALERT
最も高温の部分がわかる
BLACK HOTをベースに、画面上で最も暖かいところが赤〜オレンジ色にてハイライトされます。屋外で人や動物を見つけ出す時に使いやすい表示方式です。個人的にはWHITE HOTベースだったら嬉しかったかな。
静止画・動画の撮影
静止画を撮影する
「◯」ボタンを一度素早く押します。すると画面の下に「SAVED IMAGE11」と表示されます。
これは11枚目を保存したよ、という意味です。
動画を撮影する 音声は録音できない
「◯」ボタンを二度素早く押すと録画を開始します。画面右下に「REC」という表示が出ます。動画は「10分まで」撮影可能で、録画時間が10分を超えると自動でオフになります。音声は録音できないんですが、いいのか悪いのか判断できかねます。ドローンはプロペラ音がすごすぎて録音は無意味なのでカメラに録音機能はない、というのは合理的ですがこのあたりどうなんですかね。
ちなみに写ってるのはカモです。
モニター輝度の調整
ボタンの「△」「▽」を使って輝度を調整します。周りの明るさによって10段階でモニターの輝度を調整できます。
画面を覗いてレンズ側の△ボタンで輝度を上げ、モニター側(自分の側)は輝度を下げます。画面左に縦のバーが出てきて、今どの輝度かを数値で教えてくれますが・・・このバーいる??数値だけでよくない?
2段階から3段階の間の輝度の変化が高く、個人的に夜間は2.5段階の輝度がベストな気がしています(笑)。
ちなみに輝度の調整はボタンの配置のせいで直感的でなく、わかりにくいです。画面を覗きながら自分に合った輝度にするんですが、「△」ボタンの間に決定の「◯」があるので押し間違えます。覗きながらボタンを触るのにこのボタン配置はどうかと思います。
価格は上がるかもしけないけど、外周の明るさでモニター輝度が変わるオート機能もあればよかったかなと思います。
これぐらいが現場でよく使う機能です。さて、次の記事は実際に
- 夜間
- 山の中
といった楽しい環境でのレビューです。やはり、屋外はいろんな状況があるので比較できますしサーマルカメラと一言で言ってもできること、できないことがはっきりしたのも面白かったです。
それでは、次回は PTQ136 Breachを夜間と屋外編で使ったらどのような結果が得られるか?比較画像とともに紹介します!
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