日常使いに完璧! シュアファイア E2T-MV Tacticianレビュー
こんにちは、スカイアイジャパンの今井です!
またしても買ってしまった「シュアファイア E2T-MV Tactician」。夜間にドローンを飛ばす際は手元を照らすための作業用として明るく、そして広く照らしてくれるライトが必須です(当社比)。
なのでE2T-MV Tacticianを買いました。同じことを言ってこの前も同社のFURY Tactical DFTも買ったんですけどね。はは。
過去記事はこちら
◎1500ルーメン FURY Tactical DFT
◎シュアファイア純正充電池
E2R-MVのマックスビジョンを日常で使いたい
まあ色々と本記事でも御託並べてますけど、実際にドローン用に使うとは言えほぼシュアファイアを使いたいだけの方便です。この非日常のライトをどれだけ日常で使えるように寄せられるか、その言い訳です。
日常使いだけで考えるとホームセンターのLEDライトの方がいいにきまってます。
ただ、どうしても後述するシュアファイアの「マックスビジョン」と呼ばれるワイド照射できるライトが欲しかったのも事実です。
シュアファイア E2T-MVのカタログスペック
さて、御託はこれぐらいにしてE2T-MVのスペックは
- 明るさ:800/5ルーメン(切り替え式)
- 作動時間:1.5時間(800ルーメン)/94時間(5ルーメン)
- 機能:常時点灯/間欠点灯
- 電源:リチウム電池123A×2本
- 長さ:125mm×25mm(一般的なボールペンの長さ)
- 重さ:100g(電池入)
- 配光:マックスビジョン
- 備考:クリップ、回転式ランヤードリング
こんな感じですかね。購入時のお値段は新品で13,800円。私がこれを選んだ理由として更に詳しく書くと、
- とにかく広く照らしてくれる
- とにかく明るい
- そこそこ軽い
- 持ち運びしやすいサイズ
- 日常生活でも役立つ
- たまたま新品で購入できた(13,800円)
が挙げられます。
で、シュアファイアって遠方への照射を想定しているのでほとんど周辺を照らさないナロー(狭い)照射のライトが大半なんですが、経験上日常生活でも便利に使えるのはワイド照射です。ナロー照射はやっぱ不便なのです。だからいずれ・・・と思ってた矢先に新品格安で手に入る機会があったので買いました。
明るさは800/5ルーメンの切り替え式。切り替えはやや難
ハイ/ローの光量の切り替えを行うのはシュアファイアでも当たり前になってきましたね。コンバットモデルはハイモードしかありませんが、日常使いを想定するのならローモードがある方を選んだほうが断然いいです。
ヘッド部の締め具合でこの強力な明るさのハイモード(800ルーメン/1.5時間)と、足元を照らすためだけのローモード(5ルーメン/94時間)を切り替えます。ヘッド部を完全に締め切ってると800ルーメン、少し緩めるとそれ以降は5ルーメンになるんですが、画像の赤い矢印のところにあるマークを見ていただければヘッド部を締めたり緩めたりすることで光量が変わることがわかります。
電池の交換もお尻ではなくヘッド部からするので簡単に外れにくいよう硬めになっていて、これがハイ/ロー切り替えのときにスムーズにいかないもどかしさもあります。ライトの持ち方によってはヘッド部を回転させるのに持ちかえなければいけないんですよね。
→何ヶ月か使ってみて少し良い意味で緩んで来ましたが、それでも硬いですね。
とにかく使い勝手の良いマックスビジョン
E2T-MVはシュアファイア特有の芯のある中心光ではなく、ボワッとしたワイド光になっているんですがこのワイド光がシュアファイア的に言うとマックスビジョン(Max Vision)なんです。
そこで1m先の壁にマックスビジョン搭載のE2T-MVと、一般的なシュアファイアの配光であるEDCL2-Tをローモードの5ルーメンにして照射してみました。
同じ5ルーメンのはずなのになぜかEDC2-Tの方が明るいのは見なかったことにして、明らかに照射パターン、照射範囲が違うことがわかると思います。E2T-MVは均一に1.2mの幅いっぱい照らしているのに対し、EDCL2-Tは中心光が40cm、その周り80cmほどを照らしています。
そしてこれが本当に使いやすい。アバウトに使えるんですよ。手元を照らす、遠方を照らす、どちらでもいいですが適当にパッとやればほとんど必要なところは照らしてくれます。
買ってよかった。本当にそう思ってます。
マックスビジョンは人間の視界の70度をほぼカバーする快適な照射角
意識してみてわかったんですが、だいたい私の場合正面から左右に30〜40度ずつの合計60〜80度以上ライトで照らされていれば、十分な範囲を照らしているので快適だと感じるようです。
それよりも照らす角度が狭いと暗くて見えない部分が増えて得られる情報が制限されるので、無意識に「もう少し照射範囲が広いと快適だな」と感じるということがわかりました。
で、調べてみたところ科学的にも本当にそうみたいです。
人間の視野角は220度ほどと言われていますが、目線を動かさず色とかまで認識して情報として得られるのは70度ぐらいとのこと。つまり、この角度以上がライトで照らされていると人は「見えている」と感じて安心できる、というわけですね。
雑なイラストで申し訳ないんですが、こんな感じです。人が視界から情報を得られる(らしい)70度よりも照射範囲がせまければその分、視界は暗くなるので情報を得られなくなり、本能的に不安を覚えるということです。逆に照射範囲がそれ以上なら安心できると。
で、おそらくですがマックスビジョンはそのあたりを意識して作られているのでは?とおもいます。必要以上にワイドではなく、かといって狭すぎないこの70度をしっかりカバーした照射範囲。素晴らしい。
それでは一番気になるであろう照射テストを。
照射テスト
まずは5mの距離から。高さ2mぐらいのところから見下ろす形で地面を照らしてみました。撮影範囲は10m×5mで離れたところに街灯があるのでほんのり確認できるところもありますが基本肉眼では何も見えないと言っていいでしょう。
中心光以外のところでも何があるのか十分にわかる光量があり、写真では撮りきれなかった10m×5m以上の範囲をきっちり照らしてくれます。
これぐらい広く照らしてくれると、目線の先に暗いところがあって不快だということが減ります。
月明かりや周辺光も届きにくい建物と壁の間を照らしてみました。意外に森の中などは月明かりがあったりと割と明るかったりするんですが、こういう建物と壁の間は周りからの光も遮断するので本当に暗いです。変質者が隠れるのならこういうところでしょう。
しかし、シュアファイアE2T-MVがあれば心配ご無用!30m先まではっきりと隙間なく照らしてくれます。
30m先の場合は室外機が邪魔になり(15mの飲み物ケースの上)光が届かないだけで、ライトの角度を変えるとわかります。
15m先の畑を照らしてみました。周りに民家があるので中心光は向けられませんでしたが、外周光でも50m先の建物の扉が確認できます。
必要十分な明るさハイモード、800ルーメン/1.5時間
一昔まえはライトで800ルーメンなんてとんでもない明るさでしたが、シュアファイアの中ではミドルクラスの明るさになりました。明るさのインフレ状態。
じゃあ明るさが足りないのかというと、十分すぎます。マックスビジョン特有のワイド光もあいまってものすごく使いやすいですね。正直これ以上言うことありません(笑)。実際ライトに興味ない人に渡すと「これ小さいのに明るいな!!」と驚かれます。
普通に快適に使えて、必要十分に明るい。これでいいんじゃないですかね。とりわけ日常使いならこれでOKです。また、ワイド光なので遠方まで照らせないかというとそんなことはなくて、50-60m先ぐらいなら「何があるか」「どんな形、色か」まできっちりわかります。
もちろん1500ルーメンとかのFURY DFTに比べると暗いし、遠方は照らせませんがどっちかというとむしろFURYとかの方が異常です。
ちなみに2011年発売のM6LT ガーディアン(守護神)はとんでもないサイズでリチウム電池6本使って900ルーメンでした。
M2T-MVは手のひらに収まるサイズで800ルーメンなのでそんなんでよく「守護神」なんて恥ずかしげもなく名乗れるな、なんて思いますが技術の進歩はすごいですね。
微妙な明るさローモード、5ルーメン/94時間
5ルーメンってぴんとこないですがiPhoneでいうところの真ん中、↑これぐらいの明るさ。全く明かりのない暗闇で作業したり、足元を照らすのには十分な明るさです。私はこれを使って夜に灯油を入れたりしています(笑)。
深夜に起きて目が明るさになれていないときでもこの5ルーメンなら大丈夫です。目に優しい。まさかシュアファイアの製品で目に優しいなどという言葉を使うときがくるとは。
個人的にはもう少し明るくてもいいかなーと思いますが、まあこれでもいいかなーとも思います。
この「ロー」にあたる5ルーメンの明るさは根拠ある明るさなのかどうかわかりませんが、賛否あるのは確かです。暗すぎるとか、これでいいとかなんとかかんとか。
持ち運びしやすい太さと長さ
ここからは明るさ以外の機能などについて紹介していきます。長さは125mm×25mmで、一般的なボールペンより少し短い長さです。試しにジェットストリームを横に置いてみました
太さも握りやすく、長さもボールペンぐらいなので違和感がありません。いいですね。
ボールペンと同じ長さのEDCL2-Tとの比較。3cmぐらいE2T-MVの方が短いんですが、ここが持ち運びやすいか否かのけっこう重要な分岐点な気がします。EDCL2-Tは全長15cm、持ち運びには少しかさばる感じがしますしポケットにいれておいても違和感があります。対し、E2T-MVはそんなことはありません。
たしかに言われてみればボールペンってポケットに入れておくと意外にかさばるんですよね・・・
ポケットクリップがついているのでころころ転がることもなく、安心して横向きにしておけます。
握りやすく、ひっかけやすいポケットクリップ
これよく考えられてるなあと思います。ちょうど中指と薬指にあたる部分がカーブしているのでものすごく握りやすいです。ポケットクリップってだいたい細いくせにかさばったり、ライトを握りにくくしたりするんですがこれはほとんど気になりません。素晴らしい。
個人的にライトの向きを上下気にせず使える同社のEDCL2-Tポケットクリップも好きですね。
使いにくい付属のナスカン
もう捨ててしまって手元にないです。今はパラシュートコードを通しています。シュアファイアって米軍や法執行機関みたいな特に誤作動が許されないシビアな現場の人が使用することで有名なんですが、これ本当に誰か試した?テストせずにだしてない?という構造のモノをたまにリリースしたりします。それがこのナスカンな気がします。
このナスカンがランヤードリングとライトの間にしょっちゅう挟まったりしてひっかかるんですよ。
写真だとわかりにくいですが、ナスカンがランヤードリングとライトの間でひっかかってます。軽く力をいれればうごくので完全に動かなくなるってことはないんですが、ことあるごとにカチンとひっかかるのでスムーズ感がなくてストレスを感じます。
ナスカンのクビレが原因ですね。ここが絶妙にせまいのでなんかの拍子にひっかかるんですよ。
マックスビジョンを搭載している他のライト
さて、個人的にはめちゃくちゃ気に入っている広範囲照射のマックスビジョンですが、製品としてMVかどうかどうやってみわけるかというとE2T-MVみたいに製品名の最後にMax Visionの頭文字をとったMVがつけられているので検討すればすぐみわけがつきます。仮にE2T-MVがマックスビジョンでなければ、E2Tなんだと思います(多分)。
他の製品で言えば例えば、
- G2X-MV
- E1B-MV
- HS2-MV-A
などがありますね。例外として拳銃などにとりつけるXH35とかはMVですがつけられてません。
他に、MVはライトの光るヘッド部は小さいのですが、そこからは想像できないぐらい拡散します。FURYの半分ぐらい?
その他の効能としてマックスビジョンはワイドに照らせるだけでなく照らされた側が「幻惑」したり、照射している人までの「距離感をつかめない(つかませない)」光り方をします。実際MVで照らされると光源は一つなのにバーッと包まれてるような感覚になるんですよね。
このあたりは警察だとか米軍だとかが好んで使う機能ですが、我々一般ピーポーはあんまりな機能です。ロマンはありますが。
改善点
まあしいて言うのならコスパですよね。やっぱこのご時世一本数百円するリチウム電池を2本使うのはどうかと思います。なので18650だとか、そっち系の充電池対応だったらよかったかなと。
→これも2020年11月あたりから再びシュアファイア純正の充電池が出回り始めたので別にいいかなと。
まとめ
個人的にE2T-MVは自分のライトのマスターピースだと思っています。色々なシュアファイアを所有、試してきてみましたがやっとここにきて満足できるものにたどり着いたと感じています。サイズ、重さ、そして照射範囲と照射距離。どれをとっても満足です。
シュアファイアは大好きなんですが正直言ってどれを買ってもなんとなく「普段で使うにはコレじゃないなぁ」感があって色々なシュアファイアに手を出してきましたがここである程度落ち着いたかなと思います。今後私がシュアファイアを買うとしたら、E2T-MVの後継で明るさが増えたモデルでしょうか。それぐらい満足しています。
と、言いつつ舌の根が乾かないうちに新しいの買ってるかもしれませんが。例えばヘッドライトとか。
apple Pagesの「同一セクション」を分割する方法
こんにちは!スカイアイジャパンの今井です。
今回はドローンではないですが、お困りの方もいらっしゃるのではないかと思い備忘録も兼ねて記事化しました。
文書を書いていくにあたり、Apple版Wordである「Pages」、これの同一セクションという機能が私は本当に不便だと感じています。
同一セクションってなんやという話ですが、例えばこれ。
pagesの編集画面なんですが、画面左側のページサムネイルでオレンジ色に囲まれているページ全て、P21-23が同一セクションとみなされているページです。
逆に、19-20Pは同一セクションではありません。
それでこのページセクション内では、
- ページの入れ替えができない(A、B、Cというページ順をA、C、Bにできない)
- ページの一部を消そうとすると同一セクション内の(複数の)ページがまるごと消える
ということが起こります。これが私の執筆スタイルには本当に合わないんですよ。上記の画像では同一セクションとしてP.21〜23が写っていますが、例えばP.21を23の後ろに移動したりができませんし、P.22だけを消すこともできません。消すとP21〜23全部消えます。
なのであーこの項目この順番でいいと思ったけど、ここと入れ替え方がいいなーとか、この1ページはまるごと消すかーとかができない。で、調べてみてもあまりないんですよね具体的な解決法が。
唯一見つかった記事はコレ。ただ役に立たなかった・・・
そんなわけでappleのサポートセンターに聞いてきましたよ。
不可視文字を可視化して、セクション区切りをする
タイトル通りです。これだけやればいまいましい「同一セクション」問題が解決します。P.14-15間が同一セクションとなっているので、これを分割します。
1.表示>不可視文字を表示
¶のアイコンがでてきました。これでセクションがどこで分かれてるか視覚化できる様になりました。
2.区切りたいセクションにカーソルをあわせる>挿入>セクション区切り
ここでセクションを分割したい、というところにカーソルを合わせ、挿入>セクション区切りでOKです。
これで、無事セクションが区切られました。
この青い線がセクション区切りをさしているので、これでうまく分割できました。
以上で同一セクション問題から逃れることができます。お疲れ様でした!
不満点 同一セクションの設定はなくせない
ただテキストを書いていってそのまま次のページに移ると次のページは前のページと同一セクションになるというのは変わらないです。
いちいちそこは分割するしかないんですね。うーんこの同一セクションという概念、なんとかならんもんですかねーー
シュアファイア初の純正123型充電池 SF LFP123レビュー
こんにちは! スカイアイジャパンの今井です。
でましたねついに。シュアファイア純正の123型の充電池と充電器が。ほんっっっっっと待ちに待ちました。ほぼ10年ぶり。
シュアファイアは大好きだけど、電池代がなぁ・・・そんな貴方にお勧めしたい素敵な電池がまさにこのSF LFP123Aです。
シュアファイア昔話
今から10年ちかく前の2011年に、シュアファイア公認K2エナジー製の充電池&充電器がリリースされていました。しかし、色々あって発売から1年もたたず日本の市場から消えて、国外では普通に売ってるのに国内では買えないという状態がずっと続いていました。
※製品として不具合があったのではなく間違った使い方をしてクレーム入れた方が多くいて、それなら・・・ということで代理店が輸入を取りやめたと聞いています。
私も当時6本購入して、徐々に買い増す予定だったんですが輸入停止という、まさに青天の霹靂でがっかりしたのを覚えています。
そして今!!2021年(発売は2020年10月だけど、安定供給になったのは2021年2月)になり、心機一転シュアファイア「純正」の123型充電池が大手を振って購入できる様になったわけです!!
左側のパッケージが充電器
今回、私は充電器(充電池2本付き)と充電池3ペアを買いました。なので、充電池は8本ある状態です。
それでは公式スペックから見ていきましょう。
SF 123A公式スペック表
- 価格:2,800円(税抜)
- 2本セット(1本あたり1,400円)
- 点灯時間:使い捨ての1/2ぐらい
- 容量:450mAh
- 標準電圧:3.2V
- サイズ:33.5×16.5(mm)
- 方式:LiFePo4(リン酸鉄リチウムイオン)
SF 123A用充電器 公式スペック表
- 価格:4,900円(税抜)
- 充電時間:1.5時間(1本)or3時間(2本)
- 梱包物:SF LFP123A2本、充電用USBケーブル
- サイズ:45×60×20mm
- 電源:USB-Aによる充電
- Input:5V/1A,
- Output:1本400mA/2本200mA
だいたい、こんな感じですかね。充電時間と、実際の点灯時間さえわかればあとは困らないと思います。
とにかくコスパがいい。
もう兎にも角にもこれにつきるでしょう。コスパ
10回も使えば完全に元とれますからね。
使い捨ての123Aリチウム電池は普通に買えば1本800円、ネットで安くて300円ぐらいです。シュアファイアはそんなものを2本使って1時間ぐらいしか電池が持たないわけですからどうかしています。
幾ら好きと言ってもお金が無尽蔵にあるわけではないですから、できる限りコストを落としたい。20分使って「あぁ〜もうこれで400円分使ってしまったかぁ・・・」と考えてしまうそんなシュアファイアユーザーの気持ちに寄り添ってくれる、素晴らしい電池が SF LFP123Aです。
環境にも優しい
軍隊や法執行機関の方は性能が第一で環境は二の次三の次でしょうが、やはりこのご時世使い捨てというのは聞こえがよくない。そういう意味でも充電式というのは嬉しいですね。
点灯時間は公称時間の半分が目安
ここがまあネックといえばネックですね。シュアファイアの公称点灯時間は使い捨て123Aを使用した時です。今、実際に使ってみて夜な夜なテストしていますが当初の想定通りまあ半分ぐらいです。
手元にあるE2T-MVやEDCL2-Tは1時間なので、およそ30分というところでしょうか。
数百回充電しても80%の容量をキープ
数百回って200〜900回まであると思うんですが、どれぐらいなんですかね・・・。本家の英語の方も確認してみたんですけど、本当に数百回と書いてあるんですよ。(→even after hundreds of charging cycles.)
まあそれはいいとしても、充電を繰り返しても劣化しにくいのはいいですね。
一回り小さいので全てのシュアファイアに入る
FURY DFT,EDCL2-T,E2T-MV試してみましたがしっかり入りました
全部確認したわけではないですが、使い捨ての123Aよりも一回り小さいから基本すべてのシュアファイアに入るはずです。
とっても安全、でも容量が少なめ450mAh
商品名のLFP123AってLiFePo4(リン酸鉄リチウムイオン)の頭文字をとってLFPなんですが、この電池の良さって
- 化学的に安定してるので安全
- 丈夫
- 長寿命
- 自然放電が少ない(月にだいたい1%)
- 低温でも作動する(-20℃までは作動する。但しシュアファイアは最低温度について言及していない)
- 安くつくれる(レアメタルをほとんど使わないので)
が挙げられます。いい事づくし。でも、その代償として極端に容量が少ないんです。使い捨ての123Aは約1500mAhなので1/3よりも少ないです。
嬉しい標準電圧3.2V
実際のところ、123A型の充電池ってシュアファイア以外無いのかと言うとあるんですよ。アマゾンでもふつうに売ってたりします。でもサイズが太かったり長かったりライトに入らないこともあってこれはもう買ってみないとわからない、完全な博打です。まあそれだけシュアファイアの工作精度が高いということでもあるんですが・・・。
シュアファイア公認充電池 & 充電器よもやま話
今でも覚えていますが、シュアファイア公認のK2エナジー製充電器はそれはもう見た目がチャチいものでした。私は「使えればあんまり気にしない」という考えが強いんですがそれでも初めて箱からだした時に「え・・・」となったことを覚えています(笑)。
なんていうか不安感を誘うんですよ。これで充電してもええの??みたいな。
また、同時に買ったシュアファイア公認LFP123Aも一切シュアファイアのマークも一切なく、デザインもアレだったのでもやもやしました。シュアファイアって高いけど作りはしっかりしている、ちょっとしたライトの高級路線じゃないですか。所有欲を満たすというか。それを全く感じさせないものでした。
他社のRCR123A(充電式123A)と比較する
サイズ・電圧・安心感の3点セットのSF LFP123A
(私は)シュアファイア純正充電池の発売に大興奮してますが、123タイプの充電池自体は別にシュアファイアの専売特許じゃないんですよ。実際あるにはあるんです。アマゾンなどでも「RCR123」みたいな名称で販売されています。
ただ、その場合だいたいがPSEマークついてるのか疑わしい、聞いたこともない怪しい中国製のメーカーであることに加えシュアファイアが推奨する電圧よりも高めで、サイズも大きめだったりして使うには不安が残ります。対し、今回はシュアファイア「純正」ということでこれ以上の安心感はありません。
また、アマゾンとかでよく売ってる充電式123型充電池は標準電圧が3.7V(満充電時4.2V)なので、 シュアファイアの推奨値より高いです。電圧が低い分にはいいんですが、高いと壊れる可能性があります。
対し、LFP123Aは3.2V。そういうことを気にしなくてすみます。素晴らしい!
オマケ)推奨されていない高電圧123型充電池を使ってみる
とは言うものの、実際推奨されていない高電圧の123型充電池をシュアファイアに使うとどうなのか?も、気になります(よね?)。
何人かこの手のことに詳しい方が知り合いにいるので相談してみたところ「自分も使ってるが今のところ問題なし。大丈夫、だろう」とのこと。
ということで、私も実際に試してみましたが、無事作動しました(推奨してませんよ)。許容範囲ではあるっぽいのですが長時間・長期間の使用、つまり負荷に耐えられるのかが全くわかりません。使い続けていたら突然回路が焼き切れる、というのもありえないわけではないです。
つまり、大丈夫なんだろうけどどこか怖いというのが本音です。対し、SF LFP123Aは標準電圧も3.2V、シュアファイアが純正として出しているのだからOKということ
ということで安心です。
3.7-4.2V充電池の個人的な考察
おそらくですが4.2Vの充電池を使い続けても大丈夫だと思います。ここはシュアファイアも対策しているはずです。
というのも、シュアファイアのライトがすべてLEDに移行するぐらいからスマホが出回り始め、充電池の需要も増えたので様々なメーカーから123型の充電池も出てきました。
で、ユーザーの中には電圧とかも全く知らない方もいるので「なんか安くて充電何回もできるヤツあるやんけ。使い捨てとかバカらしいし、これでいこ」となるのは目に見えます。
本来ならそれで壊れても「メーカー推奨外だから知らない」と突っぱることもできるんですが、いちいちそれをするのも煩わしいので「ユーザーがぶっこんできそうな想定される高電圧の充電池」は対応しているんだろうな・・・と。でもまあ当然推奨はしていない。だからシュアファイア側もここに関しては一切アナウンスしないんだろうと思います。
まとめ
使用感
使い始めてまだ一ヶ月も経っていませんがUSB充電ができること、繰り返し使えるコスパはかなり魅力的です。デザインもシュアファイアっぽくて気に入っています。
使い捨ての半分の点灯時間になるので予備を持たなくてはいけませんが、それも一つの楽しみだと感じています。
安全をとり、確実に入るサイズ
スペックなどを見れば見るほどシュアファイアは(良い意味で)確実というか、堅実なスペックできたな、と思います。
当然、容量だけで言うと上記の3.7VのRCR123Aの方が上です。でも、シュアファイアはそれを選択しなかった。容量を犠牲にしてでも安全性を重視したLFP123Aに仕上げてきました。
今後、使い続けて気になること・発見があれば随時更新していきます。
地形の情報を空から正確に測定! DJI Zenmuse L1を解説します
こんにちは!スカイアイジャパンの今井です。
DJIからZenmuse L1というM300RTK専用のすごいカメラが発表されましたね。
国内での販売はもう少し先になりそうですが(2021年頭?)、まずはなにがすごいのか?動画などから読み取れる部分を詳しく解説していきます。
Zenmuse L1とは、高精度の立体地図をつくるためのカメラ
Zenmuse L1は大雑把に言うと山、崖、橋、鉄塔、ビルなどの形状を測量レベルの精度で抽出して立体化するための情報を取得するためのカメラです。
LiDAR(ライダー)搭載、地形や人工物の位置や形状を割り出す
精度の高い3Dモデルの地図を作成するには元となるデータが当然必要なんですが、そのデータを集めるための技術が他でもないLiDARです。
これだけだとなんのこっちゃ、という話なので掘り下げていきましょう。
DJI L1の動画より抜粋
3Dモデルから高圧線と木までの高さを算出した様子
L1の肝となるのがLiDARと言いましたが、L1にはLivox Technology Company製のLiDARが搭載されています。Zenmuse L1という名前はLiDARとLivoxのLからきているのでしょうね。
ちなみにLivox社は聞いたことないと思いますが、2016年にDJIの出資で設立されたLiDARセンサーをメインとした企業です。TOYOTAとDENSOの関係に似てますね。
話がそれました。LiDARセンサーの技術的な原理や詳細は別記事で紹介しますが、簡単にいうとレーザーを照射し跳ね返ってくるまでの時間を計測することで照射対象までの距離を正確に測定する技術です。なので撮影時の気温や風向き、また撮影した写真の読み取り誤差なども最小限に抑えることもできます。
ゴルフ用に手持ちのレーザー距離測定器というのがあるんですが、カップまでの距離を測ったりするんですよね。手持ちのレーザー距離測定器はカップまでの一点の距離しか測れませんが、LiDARは1秒間に24万(もっと多い機種もあり)ものレーザーを同時に広範囲に発射し、同時に跳ね返ってきた24万点のそれぞれの距離を測定します(点群データ)。
これを地質や地形の調査に使おうっていう話ですね。というか、もともとそういうこと用なんですが・・・。
※このLiDARは今後車の事故防止や、自動運転にも応用に期待されるセンサーだということも知っておくといいかもしれません。
折しもiPhone12が本記事を執筆していた2020年10月下旬に発売されましたが、一部の機種にもLiDARは搭載されています。こちらは測定距離は5mほどだそうです。
今までの3Dモデル法とLiDARの違い
ドローンを使って地形を3Dモデル化する場合、撮影した写真に埋め込まれた位置情報(撮影時のドローンの高度、機体の向き、GPS情報)を利用して地形の高低差を出して3Dモデル化するのが一般的でした。
しかしドローンの機体高度などは数メートルの誤差はあるので、精度はそこまで高くはありません(とはいってもそれなりに見れる形にはできますし、簡単にできるのでそれで十分なことはよくあります)。
対しZenmuse L1,LiDARの場合はレーザーが行き来している時間を測定するので当然間違いがありません。
RGBカメラ
DJI HPより抜粋
RGBとは光の三原色であるRed(=赤)、Green(=緑)、Blue(=青)の3色を指します。LiDARは対象までの距離は確実に測定できますが、対象の色まではわかりません。
これはDJIのオフィシャル動画 Zenmuse L1から抜粋したものですが、山に渡された高圧電線(赤色の線)と山の様子をL1で測定し、そのデータを元に3Dマッピングした様子です。
色は高低差などをさしているのであって、現実世界の色とは違います。
DJI L1の動画より抜粋
LiDARとRGBカメラを使った3Dマッピングの様子
流石にそれだとわかりにくい場合もあるし、現実の世界とのズレもあるなどあるので予めRGBカメラで色情報も同時に取得しておき、3Dマッピング時にその色情報を付与することでカラーの3Dマッピングを作成する、ということですね。
レスキューミッション
公式動画で紹介されていますが、遭難者の位置がわかっていてもそこまで安全に救助隊がいけるかどうか、ルートがどういう風になっているか、は現地までいかないとわかりません。しかし、L1を使えば要救助者までのルートも現地で作成可能・・・
と書いておいて、私はこんな経験がないのでこれがどれほど有効なのかはわかりません(笑)。公式動画では砂漠地帯を使っていますが、これはわかりやすいからで、実際日本の様な森が多いところではどうなんでしょう?
レーザーが葉っぱを通過できず不完全なルートを作成してしまうということは有りえますし、そもそもそんなに地図情報がまったくないなんてことあるかな?とも思います。
ただ、その一方で地図情報というのはあくまで「地図を作成した時」のものなので「今」ではありません。冬は木の葉が落ちるので空から地表がよく見えますが、夏は逆です。以前、救助のプロの方からお話を聞く機会がありましたがやはりGoogle Mapを多様する様です。しかし、肝心のGoogle Mapの航空写真が「いつ」撮られたのかは場所によるし、数年前のこともあるので「今」の地図があると助かるとも言っていました。
なので、ライブの地図が3Dでつくれるのは非常に強みとなりうる、とも思います。このあたりは今後の利用法でわかってくると思います。
LiDARは夜間に強い
DJIの公式動画のレスキューミッションの時は「夜間」です。この動画では言及はされていませんがLiDARは周囲の明かりに影響を受けにくいことが特徴として挙げられます。むしろ、太陽光がない夜間のほうがノイズが少なく精度が出やすいとも言われています。
これから用途が考えられていく
測量の分野もそうですが、今までは「歩く」という方法しかありませんでした。対し、今は空からいろいろな情報が取得できる様になりました。
今、まさに用途が検討され、発展していくので今後に本当に期待できる分野です。
DJIの超高性能 H20Tカメラ レビュー2 !!撮影モード編
さて、前の記事ではH20シリーズのカメラ性能についてレビューをしました。ここからはその他の機能である
- レーザー距離測定
- 高倍率グリッド撮影
- ピンポイント
について実際に使用してみた感想も含めてレビューします。
レーザー距離測定
個人的に「これだよ!視聴者が求めていたものは!!」と感じたのがこのレーザー距離測定です。
対象までの距離をレーザーを用いて瞬時に測定します。画面上に赤いレティクル(照準線)が見えますが、これは現在このレティクルの中央(画面中央)にレーザーを照射していることを表しています(照射していない時はレティクルが白色)。
この時に、画面左に「RNG 143.4m」とありますがこれがドローンから物体までの実際の距離(見通し距離)で、真ん中のレーダーの左下にちょろっと写っている「143m」がドローンから物体までの直線距離(水平距離)です。レーザーの角度がほぼ水平なので違いがわかりにくいですが、角度が大きくなると数値に差が出てきます。
これは「どれくらい精度の高い写真が撮れるか」という時に重宝します。
撮影対象までの距離が確実にわかるという利点
これは、思っていた以上に便利でした。ドローンを飛ばされている方ならわかると思いますが、とにかく目視でドローンまでの距離感が掴めないのがドローンです。
同じ対象をシーズンごとに撮影したとしても対象までどれぐらいの距離で撮ったのか?というのは同じオペレーター(操縦者)であっても状況によって違ってきますし、オペレーターが違えばさらに違ってきます。となると、撮影した写真の精度に一貫性がでてこなくなります。
対し、レーザー距離測定なら確実に対象までの距離がわかるのでそこからは「○○mまでしか近づけてはいけない」「○○mで撮影する」というルールを自分たちでつくってしまえば確実です。
個人的に私がこれはいいな、と思った実例を挙げます。
300mほど離れた山にM300RTKを飛ばし、機体の真下にある木を撮影しようとした時のことです。
できる限り近づけて、詳細を撮影したい・・・でも距離感が掴めない!どれぐらい近づければいいんだ!?前方に広がる山との距離はどれぐらいなんだ?十分な距離はあるのか??大丈夫なのか!???
となるのです。ドローンは見えていますが、ドローンと前方に広がる山、そして真下の撮影対象までの距離感がまるで掴めません。カメラで山も確認しますが、よくわかりません。
さらに、目視だと山とドローンが重なってしまい「機体は見えるけど、下までどれぐらいかはわからない」。これはドローンを操縦したことがある方ならあるあるだと思います。
しかし、レーザー距離測定機能があればこういった心配は無用です。確実に、きっちり気になる対象までの距離を測定してくれます。めちゃくちゃ、便利。
撮影モード
ここからは、実際に使ってみた撮影モードについて解説します。
全体撮影と詳細撮影が同時にできる高倍率グリッド撮影(High-Res Grid Photo)
ドローンの機能としてできたとしても、オペレーターの技量でできる限界を超えてしまう
ズーム機能はすごい機能なんですが、実務でピンポイントでここだけ撮影して欲しいということは稀で、ここのあたりを満遍なくズームで撮影して欲しいということが大半です。ですが、オペレーターからしてみればズーム撮影はどこを撮影しているか見失ってしまいやすいという難点があり、特にこれは自然相手だと顕著になります。
例えばこの樹木の赤い範囲をズームで満遍なく撮影したいとなると、ズームでオペレーターが見る画面はこんなんです。
これ、どこを撮影してるかわかりますか??相当難しいですよね。また、ズーム撮影はワイド撮影と異なり多少なり画面の揺れが生じるのでこれらも含めるとカメラの機能としてできたとしても、オペレーターの技量でなんとかできる限界を超えてしまうことが多々あります。
しかし、高倍率グリッド撮影ならば画面上で撮影したい範囲を満遍なく、確実に撮影することができるのでオペレーターとしては便利なことこの上ない機能です。
それでは実際にどうやって撮影するのか、というと「高倍率グリッド撮影」のモードを選択するとコントローラーの画面上にこの様な白いグリッドが現れます。このグリッド内の範囲をわけられたブロック分にわけてズーム撮影するよという意味で、撮影ボタンを押すと自動で撮影を開始します。これだけです。当然、画面のタップでグリッドの位置やサイズを変更できます。
ちなみにこの画像では7×5の合計35個のブロックに分けられているので35回、自動でズーム撮影されます。
注目したい場所を記憶し、シェアできるピンポイント(PinPoint)
これはレーザー距離測定機能の応用になります。 他のチームと位置情報をシェアしたり、注目しておきたい場所がある場合はピンポイントを使用します。
ピンポイントを使用すると、画面中央のレーダーの左上に、またマップ上に緑色の「◇」シーカー・ダイアモンドが現れます。
上記の画像では、レーダーに「◇15m」と表示されていることがわかりますがこれはピンポイントの位置から機体が「15mの位置にいますよ」ということです。
また、この「◇15m」の表示は機種がどこに向いていても表示されているので見失うこともありません。
救難者を発見することに使えるよ、DJIでは紹介されていますが調査撮影においても「とりあえずこのポイントはあとから撮影したいけど見失いやすい」ということはあるのでそういうことにも使えます。
このあたりはもう少し使ってみて、他にも応用できるか試してみる必要があります。
まとめ
今回はDJIの最新産業用ドローンM300RTKの専用カメラであるH20シリーズをご紹介しました。機能が多く、まだ試していない機能もあるのですが大きなポイントは押さえられたと自負しております。
産業用のドローンはあまり紹介されることもなく表にでてこないので、少しでもどのような機能があるのか知ってもらいたくて紹介させてもらいました。でも、やっぱりこういうのは・・・男のロマン、ですよね(笑)そこが大きいと思います。
今後もM300RTKに関する機能や運用法などは書き上げ次第紹介していくので、ぜひ楽しみにしていてください。
また、今回の記事執筆にあたり、システム5の髙畑様には相当アドバイスをいただきました。ありがとうございました!
DJIの超高性能 H20Tカメラ レビュー1 !!カメラ編
こんにちは、スカイアイジャパンの今井です。
本記事ではDJIの最新の機体であるM300RTKと同時に発売されたH20Tカメラの機能の紹介を実際の使用感も含めてレビューします。
とにかく鬼のような機能をたくさん搭載しているので全部書ききるのは大変ですが、できる限り機能を実例と併せて書いています。
撮影は全てこれに任せておけばOK オールインワンのH20カメラ
まずはH20シリーズカメラの概要から。
Zenmuse H20シリーズはこれ一台で異なるレンズを使って同時に異なる撮影ができ、かつさらにそれをアプリケーション(DJI Pilot)を通じて特殊な撮影法(撮影モード)ができる、という特徴が挙げられます。
異なるレンズによる撮影
- 広角カメラ
- ズームカメラ
- サーマルカメラ(熱赤外線カメラ)※ただしH20Tのみ
- レーザーレンジファインダー(レーザー距離測定)
- ナイトビジョン(暗視装置)
DJI Pilotアプリを使った特殊な撮影法(撮影モード)
- AIスポット確認(RTKモードのみ)
- 高解像度グリッド写真
- ピンポイント
- スマートトラック
H20シリーズの持つ能力と設計思想
H20シリーズに搭載されているカメラの性能はそれぞれ単体だけ見てもピカイチで本当によくできています。ただ、このH20シリーズは上述したカメラ機能をサポートする
- 撮影モード
- 同時撮影
を利用することで相乗効果となり、真価を発揮していきます。それぞれのカメラ機能を独立で理解することも良いですが、ワンセットでなにができるのかを考えた方がより魅力が伝わります。
これまでのユーザーのフィードバックを反映した設計
M200シリーズなどを通して得てきたユーザーのフィードバックがここに凝縮されていることがわかります。これまで私も
- 広角カメラ(X4S,X7)
- サーマルカメラ(XT)
- ズームカメラ(Z30)
をマトリスM200シリーズで使ってきましたが調査などで単体で使用することはほとんどなく、デュアルジンバルとして「広角カメラ」と特殊用途のカメラ(サーマル、ズーム)を組み合わせて使っていました。
しかし、その一方で構造上特殊なカメラの片方が「使えない」ということがあったり、カメラの機能としてはできるけど実際に撮影するのは技術的に難しく現実的ではなかったり、いちいちカメラを複数用意して撮影の度に交換する煩わしさがあったのも事実です。
しかし、これらの問題がH20カメラでは全て解消されています。私が思う限りH20カメラ(とそのサポート機能)があればほぼほぼ現場でやりたい全てのことができるんじゃないでしょうか。
さて、まずは実際にどんな画像が撮れるのか一度見てもらいます。
こんな感じです。すごくないですか!?これらが同時に一回の撮影で撮れてしまうんです。さてそれでは各カメラや撮影モードの解説に移りまっす。
広角カメラ(Wide)
これでパンフレットや宣伝用の撮影もできそうな解像度です
となっていますが、カタログスペックだといまいちピンとこないと思うので実際に撮影した画像をさらに幾つか掲載します。
ブログなんで少し解像度が落ちますが、おおむねこんな感じです。
12MP 1/2.3 CMOSセンサーなのでどうかな?と思っていましたが非常に綺麗に、シャープに写っていてびっくりしました。
調査用ならこれで十分ですし、静止画だけならこれでパンフレットや宣伝用の撮影もできそうな解像度です。というか、できますね。ちなみに同時撮影しているのでこの広角カメラで撮られた画像の他に、ズームとサーマルの写真もあります。
23倍ズームカメラ(Zoom)
人が登ってでも確認できないところですら肉眼以上に見える
- 23倍ハイブリット光学ズーム、
- 最大200倍ズーム
- 20 MP 1/1.7インチCMOSセンサー
- 動画解像度:4K/30fps
なんと驚きの光学23倍です。Z30は光学30倍ズームでしたが、どれほど違うでしょうか。百聞は一見にしかず、見てみましょう。
さっささっさ飛び回っているのでわかりにくいですが、20m先の虫でも飛んでいることが
あきらかにわかります
解像度の高さもあって広角カメラでは絶対にわからない様な詳細まではっきりとわかります。杉の木なら種子の形状、木肌の様子までわかります。
撮影後の拡大もOKの高解像度
逆に、広角カメラで撮影された画像を使って拡大するとこのようになります。
広角カメラの場合、拡大しても小屋かどうかや、公園の滑り台の色まではわかりません。比較してみて改めてズームカメラの力もわかるのではないでしょうか。
これはかなりの利点です。撮影後に気になる部分があったりして「もう少しズーム(拡大)できんの?」という話はよくありますが、H20はズームカメラの場合撮影後にパソコンなどで拡大しても耐えうる解像度があります。
対しZ30は光学30倍でしたが画素数が200万画素と少なく、撮影した画像をあとからパソコンなどで拡大するのは厳しいものがありました。
Phantom4ProやMavic2Proが本当に調査・点検など使用できないのか、できる限り木に近づいて撮影してみる、ということを無理してやったことがありますがやはり限界がありました。それに対してH20Tなら、そんな無理をせずともそれ以上の写真を安全に撮ることができます。
捜索活動時の移動の無駄と降下時のリスクを減らすことができる
捜索活動ではドローンを闇雲やたらに飛ばすよりも、できる限り移動は少なく定点から機体とカメラの向きだけを変えながら気になるものを見ていく方が情報は混乱せずにすむことがわかってきています。
ただし広角カメラのみでそれをすることは不可能に近く、どうしても「あれなんだろう」「近づいて確認しよう」というプロセスが生じてしまいます。対し、ズームカメラがあればそういったことをせずにみます。
例えば、上の写真で250m先の小屋がズームで写っていましたが広角カメラで「小屋だ」と確定するにはそこまで飛んでいって、機体を降下させて確認する時間と手間暇がかかります。
オペレーターは焦る
捜索活動の練習をしていた時のことです。遭難者役の人をオペレーター(ドローン操縦士)が発見したのですが、様子を見るために周りの環境を確認せずドローンを急降下させることが何度もありました。
というのも、オペレーターも「早く助けてあげないと」という焦りがあるのでどうしてもそうしてしまうんですね。
一人だけではなかったので個性ではなく人の心理なのでしょう。仕方がないと思いますが、当然周りを確認せずにドローンを降下させることはリスクを伴うので、このあたりもズーム機能付きカメラなら回避できます。
サーマルカメラ(熱赤外線カメラ)※H20Tのみ
カラー画像では絶対にわからない異常な温度の箇所を抽出できる
サーマルカメラはその場でどうこうよりデータを持ち帰って分析するという側面が強いので、ここではあくまで現場でどれぐらいできるのか、という点について解説します。スペックは下記の通り。
- DFOV(対角視野):40.6°
- 解像度:640×512
- フレームレート:30fps
- 温度分解能:≤ 50mk@f1.0 (NEDT)
離れたところから温度を測定できるのはサーマルカメラの特徴です。コロナ対策として入店された方の体温を検知するカメラがありますが、これもサーマルカメラの持つ「遠方から温度を測定する」という機能に着目したものです。
サーマルカメラのスペックは一般的ではなく、特にわかりにくいので(温度分解能≤50mkとありますが、わかんないなですよね)ピンとこないですがH20Tに搭載されたサーマルカメラは現状手に入るサーマルカメラの中ではかなり高性能の部類に入ると思っていただければOKです。サーマルカメラは
- 川の水の温度変化
- ソーラーパネル
- 電気系統
- 遭難者の発見
などで大きな力を発揮するということ、またワイド・ズームのカラー画像との比較がすぐにできるのも他にはないメリットです。
DFOV(対角視野):40.6°
XT2では、カラー画像とサーマルカメラの画像のオーバーレイモードがありましたが今回はなくなりました。
これはフォトショップでワイドとサーマルカメラの画像をオーバーレイ化したものです。サーマルカメラのほうが撮影できる範囲は狭いですね。だいたい、広角カメラのほうが2.3倍サーマルカメラより広いです。
スポット測定
任意の一点の温度を測定します。画面をタップすれば、そのタップした場所の温度が○○℃という形で表示されます。
エリア測定
エリア測定 任意の範囲(白枠)内の最高温度、最低温度、平均温度を抽出する
DJIより抜粋
任意の「範囲内」で、
- 最も高温の部分
- 最も低温の部分
- 平均温度
を抽出します。チェックする範囲や場所はタップ操作で変更可能で、DJIのサンプル画像では任意の範囲(白い枠)内でタワーの天辺が一番温度が低く(15.0℃)、その横のビルの天辺が最も高温(28.0℃)であることがわかります。
広角画像と比較する
電柱の分岐リアクトルの温度(水色のところ)や、道路・森との温度差もカラー画像と比較して一目瞭然です。
環境調査で、アスファルトと森林の温度差をみることがありますがこういった形で比較すると感覚的にもわかります。これはドローンならではの強みの一つですね。
迷ったらサーマルカメラのあるH20T
H20シリーズは2種類あって、サーマルカメラ(熱赤外線)機能があるかないかの違いしかありません。向かって左がH20,右がH20Tです。値段はショップさんに問い合わせていただくしかないのですが、私個人の見解では無理してでも「サーマルカメラ」の機能のあるH20Tにした方がいいと思います。
それではまず広角、ズーム、サーマルカメラはどれぐらい見えるのか・・・の実例を紹介します。その後、各機能の詳細を解説します。
また、コントローラーに転送されてくる映像の解像度の高さがモロに影響を受けるのもサーマルカメラの特徴です。これはOcusync Enterprise(やOcusync2.0)はコントローラーに転送される映像の解像度と、サーマルカメラの解像度(640×512)
ライトブリッジ(Phantom4Pro,Inspire2,Matrice200)と比較して段違いに良いからです。
次は各種撮影法とレーザー距離測定器!!
DJI 最新ドローンM300RTKとはどんなものなのか?徹底解説2 撮影機能編
前回はM300RTKの「機体」に関する解説でしたが、本記事では「H20シリーズカメラ」と「撮影モード」についてさらっとご紹介します。
やりたいことは全てできる、オールインワンのH20カメラ
個人的にはこれが最大の肝というか、M300RTKのウリだとも思っています。これも詳細は別記事で書きますがとにかくめちゃくちゃ性能が良いんです。
さらにH20シリーズに関して詳しく知りたい方はこちら
- 広角カメラ
- ズームカメラ
- サーマルカメラ(熱赤外線カメラ)※ただしH20Tのみ
- レーザーレンジファインダー(レーザー距離測定)
- ナイトビジョン(暗視装置)
これらがすべてこのカメラに集約されています。
M200シリーズではズームカメラ、広角カメラ、サーマルカメラを別々で買って現場で用途に応じて付け替える必要がありましたが、今回はめでたくオールインワンとなりました。しかもレーザー距離測定器までついているというよくばりセット。いちいちカメラを複数用意したり、取り付ける必要もなく、ただ一個カメラをガチャンコするだけ。素晴らしい。
広角カメラで全体を確認し、レーザーレンジファインダーで対象までの距離を確認、ズームカメラで詳細を撮影したらさらにサーマルカメラでも撮影できてしまうという夢のような機能です。
しかも、シャッターをきれば全部のモードで撮影されているという楽ちん仕様。ズームカメラで静止画を撮影したら自動的に広角カメラとサーマルカメラの静止画も保存されています。超便利です。
また、この撮影機能をサポートする形で実装された撮影モードも素晴らしいものがあります。カメラの性能もさることながら、この撮影モードが更にその性能を引き立てます。
それでは、撮影モードを動画をもとにさらっと紹介していきます。
進化したAI撮影モード
同じ条件で何度も撮影できるAIスポット確認(AI Spot Check)
冒頭で点検や調査撮影は再現性が大切だ、ということを述べましたがそれを実現するのがこのAIスポット確認です。
ドローンの場合、
- 機体の高度
- 機体の位置
- 対象までの距離
- カメラの角度
これらを変更して自由に撮影できる分、過去の撮影と同じ様に撮影することが難しいのが難点です。それを全自動でやってしまうのがこのAIスポット確認です。
ただし、これは追加でD-RTK2 Mobile Stationを購入しなければ使えない機能なので注意が必要です。
広範囲をズームで撮影、高倍率グリッド撮影(High-Res Grid Photo)
ズームのまま被写体の全体を撮影するのってすごく難しいんですよね。アップになってしまっている分、どこまで撮ったのかわかりにくいからです。
その一方で、橋梁点検、鉄塔の点検などは部分的にズームで撮影してめでたしめでたしということはあんまりなくて、「全体をくまなく撮影して欲しい」ということが大半です。
それを全自動でやってくれるのがこの高倍率グリッド撮影です。撮影したい範囲(グリッド)を調整して撮影すれば自動的にそのグリッド内をズームで満遍なく自動で撮影してくれます。上の画像の場合、グリッドは縦14、横7の合計98個のブロックにわけられているので、自動で98回撮影撮影してくれるということですね。
※但し最大15倍率ズームまで
1km先の場所の位置座標を割り出す ピンポイント(PinPoint)
遠く離れた場所にドローンが直接いかなくてもワンタッチで位置座標を割り出し、地図上に表示、他者にその位置情報を共有できる機能です。
これまで「機体の位置座標」はわかりましたが、画面で見えている「場所」の位置座標まではわかりませんでした。
DJIの動画にもありますが、遭難者を発見したとしてもその頭上までいかないと位置情報はわかりませんでしたが、これを使えばそこまで移動しなくても遭難者の位置座標が割り出せるので無駄な移動をしなくてすみます。
この画面では「+35.506889,+137.374333」が画面中央の「木」の位置座標となっています。
※プライバシーもあるので、実際の場所とは違う数字を入れています(笑)
車も人も、自動追尾 スマートトラック(Smart Truck)
人や車など移動するものを自動でおいかけ、かつ対象のいる位置座標まで地図上にオンタイムで表示するという鬼のような追跡機能です。ピンポイントの応用形ですね。
もともとPhantomやMavicなどにも「対象の人や物をおいかける」という機能はありましたがそれをさらに高性能化したものです。
画像認識をしてるので、ある程度追跡対象が物陰に隠れていなくなったとしても自動で行き先を予測し、再度発見しようとします。
電波が届かなくても安心 デュアルオペレーターモード(Dual Operator Mode)
これ個人的に「イカす!!」「これが欲しかった!」」と思っている機能で、ワンタッチでドローンをコントロールするオペレーターを別のオペレーターに切り替えることができます。
広範囲でドローンを飛ばす場合、どうしてもオペレーターのいる位置から電波の届かない死角のようなところがでてきます。そういうところに予めオペレーターを配置しておけばドローンとコントローラーとの接続が切れずにすむというものです。
ちなみにコントローラー2台ないのでこの機能、まだ使えていません・・・
機体の電源を切らずにバッテリーを交換できる ホットスワップ(Hot Swap)
連続してドローンを飛ばしたことがあるかたならわかると思いますが、バッテリー交換の度にいちいち電源オフ→バッテリー交換→電源オン→機体チェック・・・。
とすると煩わしいんですよね。おまけに今までキャッチしていたGPSも電源がオフになったおかけでゼロから取り直し・・・。
ドローンの撮影を見ている方から「これってバッテリー交換のときはいちいち電源切らないといけないの?」と聞かれることってあるんですが、オペレーターの私からすると、当たり前なので(疑問に思ったことすらなかった)「そうだけど・・・」と答えるしかありませんでした。
しかし、言われてみるとそうなんです。
バッテリー交換は仕方がないとしても、一度機体の電源をオフにするとオンにして飛ばせるまで1,2分はかかるので特に災害救助などの一刻を争う現場なら、この手の機能は必須です。
ちなみに普通の現場でも周りに一緒に仕事される方がいるとこの間は沈黙になりがちです(笑)。そういう気まずさを避けることのできる機能です。
DJI M300 RTKまとめ
マトリスM210を使い続けて2年が経ちましたが、なんとなく「これって不便だよなぁ」と思っていた箇所がM300RTKでは全て解消されていました。むしろ、それ以上のものを持って登場し、興奮がおさまりません。
機体そのものも劇的な進化もしているのですが、それ以上にH20カメラの出来が良すぎて本当にびっくりしています。ここまですごいのか、と。個人的な感想でいうと、カメラがすごすぎて本体の進化に集中できていません(笑)。
これほどまでに進化したM300RTK、今後も使用してわかったことなどをどんどん記事にしていきますのでお楽しみに!!